フランスのエコ事情ーparis plages とエコバッグ

 

フランスの港町、ラ・ロシェルから、大人気のオイスターシェルバッグと、そのインナーバッグが再入荷しました!このバッグ、海水の中で牡蠣を養殖するためのカゴを日常使えるバッグとして考案されたもの。リサイクルPVC(ポリ塩化ビニル)でできており、とっても丈夫、軽くて持ちやすいデザインが特徴です。唯一のデコレーションは、牡蠣の殻を潰して丸く固めたメダイヨン。一つ一つ手で生産されているため一度にたくさんは作れません。最後の一つが売り切れてから半年、ようやくフランスから荷が届きクリスマスを一ヶ月後に控えた店頭にまたこのシリーズが並びました。

 

 

 

そして、本日注目していただきたいのは、こちらインナーバッグ。フランスはあまり知られてはいませんが、実は結構エコロジーに関心の高い国です。大手スーパーではレジ袋の配布を廃止してすでに久しく、リサイクルバッグ、すなわちポイ捨てではない何回も使えるオリジナルのエコバッグが代わりに販売されています。

 

 

 

昨年までは、もっぱら本体にフォーカスして販売していましたが、実は本当に素晴らしいのはこのインナーバッグなのでは、と思うようになりました。というのも、あまりの使い勝手の良さに、国内でも海外でも出張に持って歩いていたところ、この秋新しい使い方を発見。どうしても一時的に荷物が増えること、ありますよね。その時には・・・

 

 

 

 

このように、インナーバッグをオイスターシェルバッグから取り出しまして、それだけを単体のバッグとして使います。このインナーバッグ、レース用のボットの帆船に頂上にある、スピネーカー三角布と同じ素材を使っています。キリキリと潮風に揉まれて海上の船の舵をとる大切な帆。それだけに薄くて軽い、もちろんとても丈夫です。

 

 

 

 

こんな風にハンドバッグとして、あるいは肩がけでショルダーバッグとしても。ストラップの長さは二重で短め、一重で長め、調節も出来るんです。これなら荷物の多さやお洋服にも合わせて持ち方も変えられます。

 

 

 

 

地球温暖化防止の取り組みを定めた「京都議定書」採択から今年で10年。本来なら寒冷地域のはずのヨーロッパも毎年の夏の暑さ、気温上昇に悩んでいます。パリでは、ここ数年セーヌ川に砂浜を設置し、市民や観光客の憩いの場として提供するという取り組みも。未だ古い建物の多いパリでは簡単にエアコン設置ができないアパルトマンも多いので、水辺の砂浜で涼んでください、という粋なはからい。次回8月のパリを訪れることがあったら、ビーサンにサングラス、サンオイルや雑誌を持ってぜひセーヌ川河畔へ。そしてその時はぜひオイスターシェルバッグとインナーバッグをお持ちくださいね!

 

 

 

 

インナーバッグに優れたもう一つの理由、使わないときはくるくる丸めて押し込んで、こんな感じ。 予備にもう一個カバンに入れておけば、暮れのお買い物やセールの時の大荷物にもすぐに対応できます。 オイスターシェルバッグだけ買って、このインナーバッグを使わないって、それはあまりにも勿体ない!どうぞ、くれぐれもお買い忘れのないように。

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冬枯れの街にミモザ ー黄色のリネンー

1月末のパリ、冬枯れで、人もまばらな通りに、お花やさんの店先で一際鮮やかな黄色で咲き誇っているのがこのミモザ。
泡粒が吹き出しかたのような可憐な花が、緑の葉を押しのけてたわわについています。



目から受ける刺激ってそのまま脳を直撃しますね。
以後、この黄色がばかりが目に入ります。

黄色のベッドカバー、メゾンエオブジェ、ファブリックコペンハーゲン

展示会で早速目に飛び込んできたのも黄色。
北欧のリネンブランドで、グラデーションの綺麗なベッドリネン、クッション、テーブルランナーに目を奪われました。
いつも行かないエスニックのホールに展示していたので、見つけたのは今回初めて。

リネンプレースマット

早速、プレースマット、クッションカバー、ベッドカバーなどをサンプル買い。
お客様の目に留まれば、春商品として仕入れようと思います。
ちなみにこのプレースマットはオンラインショップでもご紹介しております。

黄色いソファ、11区、バスティーユ、メルシー

11区にあるインテリア雑貨、ライフスタイルショップ、MERCIにも、こんなミモザカラーのソファが。
この店で他に目を引いたコーナーはホームリネン。無地の色とりどりのナプキンやホームリネンがところ狭しと展示されていました。
私がベッドファブリックを撮影しているときにも、ハーフコートの女性が、テーブルナプキンの色を丹念に見比べ、どれを選ぶかお悩み中。

メルシー、11区、バスティーユ、ベッドリネンメルシー、11区、バスティーユ、ホームリネン

朱に近い赤も、ターコイズブルーもミントブルーも、どの色もみんな素敵なのですが、そこに差し色としてミモザの黄色を加えると、きりっとしますね。



冬の一番寒い時期に出回る、黄色い花。こんな可憐な命に都会の人も励まされているような。
ヨーロッパの冬はまだまだ続きます・・・。

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Je suis Paris

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大人女子のお楽しみ!街角フォトシューティング

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あっという間の二時間。作品の制作過程を取材するという目的を曲りなりにも果たした後には、写真撮影大会。
ヨレーヌがあまりにもキュートだから、俄かカメラマンの私も燃えました。i-phone5sという軽装備なんですけど、モデルさんは屈託なくポーズしてくれるのでこちらも肩肘張らずにお気楽にシャッターを切ります。



まずは正面から。ノーメイクで髪洗いっぱなし、巻くどころか櫛も入れていないような自然体なのに、こんなに綺麗。
日本の女性も十分に美しいけれど、最近、「作りすぎてませんか?」と言いたくなるようなカラコン、まつげエクステ、アートネイル、巻き髪のオンパレード、こてこてにちょっと辟易している私の目に優しい、このたたずまい。



ストローハットでイメージチェンジ。これは大いにあり、ですよね。



「前歯が気になる」といいながらこの自然体の笑顔。うーん可愛い!



「ちょっとポーズしてみて。」「あなたのジュエリーを見せてみて。」という注文に応えてくれるヨレーヌ。



「おすましでキメ顔!」という注文にはこんな感じ。




ちなみに、ストローハットも彼女のお手製。既成のなんていうことはない帽子に、レースのリボンと孔雀の羽をつけてみたのだとか。
これもうちのショップで売ってみたい、かも?



そして、フィナーレ!工房に戻って、もう一度彼女自身と彼女のポレセレンジュエリーの記念撮影。
最新作、サンセット。シンプルの極み、でもなぜか印象に残る、私も一押しのシリーズです・・・。

手元がゆるんで少しぶれましたが、そこは彼女の最高のスマイルでご容赦を。

ヨレーヌ、またね。à bientôt!

 
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ヨレーヌ・ジレ、ポルセレンのミニチュアな世界

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制作に使う粘土は、フランス、ポルセレンの産地、リモージュから取り寄せています。
ヨーロッパの磁器の歴史はドイツのマイセンに始まり、ながらくその技法は隠されて、フランスでカオリンを使った磁器が作られるようになったのは18世紀の後半、1771年のこと。磁器の制作にはカオリンが必須ですが、当時のフランスではそのことを知らずにカオリンを含んだ白い粘土が麻の手入れによいとされ、なんと石鹸として使われていたのだとか。

リモージュは、初めは原料そのものをセーブルなどの他の工房に提供することが主でしたが、紆余曲折を経て19世紀にはアメリカに輸出することでその生産を大幅に拡大させます。リモージュ磁器は鮮やかな絵付け、彩色されたものが数多く生産されていますが、原料の白に若干黄味があることでも知られています。
ヨレーヌの作品の特徴もその白過ぎない乳白色、ヨレーヌの言葉を借りれば、「クレム」(クリームの仏語)の色にあります。

さて、制作の第一歩。土は湿り気を保持するために水を含ませた袋の中から指先大の土を捻りとり、丸めます。
 



これを型に入れてモチーフを写し取ります。この型もポルセレンで出来ています。



モチーフを写し取った原型。



外側の余った粘土はカッターで丁寧に切り取ります。



この段階では、出来上がりに比べるとこんなにサイズが違います。
湿った粘土の中の水分を乾かし、そして釜で焼き上げることによって中の水分を抜けてきゅっと締まり一回り小さくなるのです。



周りの余分の粘土を綺麗にそぎ落としたら、自然光の下で十分に乾かします。
この段階で半日、天候によっては1日以上の時間がかかります。

カメオ

よく乾いたら、サンドペーパーの上で形を整えます。同じモールド(型)使って抜いたものでも、こうして一つずつ精度を整える工程で、若干風合いが変わるそうです。土に含まれたシミや小さなゴミをヘラで取り除く作業の中でも、その一つが別の一つと比べて個性を持つ可能性を含んでいるそうです。



この日は実際に、乾くまでの時間を待つことができなかったため、釜に入れて焼いたり、釉薬を塗るところまでは拝見できませんでしたが、指先ほどの粘土にかける手間ひまは想像どおり。工業的な流れ作業、というよりもむしろ、卵を産んで孵化するまでゆっくり丁寧に温める親鳥のなす愛情のなせる技、といった印象。

私の不躾な訪問を快く受けてくれたヨレーヌ。この日はアラジンのランプのような大きなポットに熱々のダージンリンティー、そして色とりどりのマカロンでもてなしてくれた彼女の気さくさ、温かさからも、作品の魅力はやはり作り手の人柄がにじみ出るもの、という実感しきり。戸外の陽光が半分シャッターは閉じた工房の中に燦々と差し込むように、おしゃべりも途切れることなくのんびりしたパリの午後を紡ぐかのようでした。



 

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パリ20区、Yolaine Giretのアトリエにて

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2015年1月の展示会ではじめてヨレーヌ・ジレと出逢い、以来彼女の作るポルセレンジュエリーと、キュートな彼女その人に魅了されています。半年ぶりのパリ、今回は彼女の魅力についてもっと知りたいという気持ちを抑えられず、20区にあるという彼女のアトリエを訪ねました。

ヨレーヌ・ジレ1

パリ市内のハブ駅シャトレから、メトロ11番線に乗って約15分。ピレネーで下車、ベルビュー通りから小路には入り歩くこと5分。観光客が知らない素顔のパリがそこにもありました。若いアーチストが集まる地区というだけあって、派手さはないものの、歩きやすい小路が四方に伸びて、こじんまりとしたカフェやブティックが点在しています。

パリ20区_1

インディアンサマー、夏の再来かと思われるかの快晴、青い空の下、9月のとある木曜日の昼下がりです。青空に黄色のファサードがまるで南仏のよう。南の人はもちろんヨーロッパの人々はみんな本当にお日様が大好き!少しでも日差しが顔出すと外に出ずにはいられないんです。そしてここ20区でも、まだ夏のバカンスの余韻に浸る人々が、歩道間際まで椅子を引き出して日向ぼっこしています。紫外線対策なんて話題にも登らないんでしょうね、きっと。

パリ20区_2

この地元カフェの隣が、ヨレーヌのアトリエ。バカンスの間閉じていたシャッターの調子が悪く、全部開ききらないのだとか。
夏のバカンスのために残りの1年がんばって働くというフランスらしく、9月に入ってもシャッターは「バカンスモード」を解除できずにいる。その気持ちわかります。

ヨレーヌ・ジレ3

そしてこのキュートな笑顔のパリジェンヌが、ヨレーヌ。これから日本から来たバイヤー一人のために、制作の過程をステップごとに見せてくれることになりました。オンラインショップでは、ショートヘアの彼女の画像をアップしていますが、ふんわりと伸びたロングの彼女もとってもチャーミング。彼女の作るポルセレンジュエリーはミニチュアと言っていいほど小さいなのですが、本人はモデル並みの背高のっぽさんです。くるくる頭を振ったり手を動かしたりしながらフランス語で話す彼女は、小枝で身づくろいをする小鳥のよう。

カメオ

本日、作って見せてくれるのは、彼女の制作の原点ともなったこのカメオのオーナメントです。
「一番最初に作ったオーナメントは?」という質問に出してくれたのがこれ。お婆ちゃんの形見だそうです。元々、ギリシアに始まり、浮き彫り技法を示すカメオは、ブローチとしても人気を博し世に広まりましたが、現代の人でそのまま身につけている人はヨーロッパでさえもうあまり日常で見かけることはありません。このクラシックなジュアリーが、ポルセレンを素材としヨレーヌのオリジナルジュエリーとなるまで・・・。

続きはこちらです。



 
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パリ15区のブロカント

週末パリの楽しみ方は、いわずとしれた骨董市巡り。店がシャッターを下ろした日曜日の街並はどことなく眠たげで平日の活気はありませんが、お日様がさしたらこちらのもの。遅めの朝食をすませたら、パリの骨董市情報をチェックして人の集まる広場へと向かいます。



パリ15区のブロカント_4


15区の骨董市は、マルシェに併設された11区と比べて、家具や銀器、ブロンズなどの室内装飾品のブースが目立ちます。中身は玉石混淆、いや石がほとんどで滅多に玉は出ないものの、欠けたり傷んだりしたなりにも、フランスのブルジョワ階級に愛されてきた装飾品たちがこのブースに至るまでの様々なエピソードを肌で感じることができます。そう、お宝はオブジェではなくて、小説のネタであるかもしれません・・・。




パリ15区のブロカント_3


例えば、この、トワール・ド・ジュイのプリント生地が張られた手鏡、櫛、洋服ブラシ(?)の女性の身だしなみ3点セット。ボディの装飾はかなり凝っていて、蔓草のような植物が透かし彫りとなったブロンズのようです。透かし彫りであるのは、たぶん金物の重さを軽減するためでしょうか。柄の長さが装飾品としての価値を高めている一方、身の回りを世話してくれるおつきの侍女がいない方にとっては実用性はあまりないかも。いずれにしても現代のデザインとはかけ離れた時代を感じさせる存在感のあるアンティークであることには間違いありませn。おそらく、オリジナルの張り地はもっとクラシックな繻子だったのでは。お値段は120ユーロでした。




パリ15区のブロカント_5


こちらは、家具専門のスタンド。スタンダードな18世紀と19世紀の様式を中心に、使いやすそうなサイズ、色、形のものが並べられています。パリの友人宅に行くと、こうした手合いの家具が今でも十分に活躍しています。フランスの一般家庭のサロンには、本物のアンティークでもなく、現代家具でもない、使い勝手のよさそうなレプリカがもっともしっくりくると思うのは私だけでしょうか。




パリ15区のブロカント_2


その同じスタンドで見つけた可愛いミニチュア。おそらくは、家具師が、家具作りの教材用に作ったものでしょう。ルイ16世様式の肘掛け椅子とルイ15世の肘掛け椅子の際立ったラインの違い、レジョンス様式の籐椅子の背もたれ、足組のディテールなど、かなり忠実に正確に作られています。美術品というほどの個性はないものの、人形用にしてはあまりにもリアル。コレクションとして集めたいと思わせるほどの出来でした。






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こちらは椅子と、そしてなんとコモッド(飾り箪笥)のミニチュアも。18世紀も後半、ディレクトワール様式の比較的地味な作品ですが、おそらくは、背景に映り込んでいるような、王家に収められたようなメカニックなビューローのミニチュア版もあったのでしょう。そうした著名なマスターピースのミニチュア版であれば、スタンドに並べられた初日にはさっさとマニアの手に渡り、意気揚々とこのスタンドを去っていったのでは。



パリの空の下、瀟洒なパリジャンのアパルトマンの書斎の一角で、分厚い美術書や葉巻ケースと一緒に、18世紀家具の名品のミニチュアがちんまりと飾られている様子を思い浮かべてみます。骨董品は収集家の手によってまた新しい命が吹き込まれ、そこから、オブジェに出逢った人の全く違った物語が生まれる、そんな想像をふくらませてスタンドをいきつもどりつしていると、パリの日曜日、骨董市の午後の時間はゆったりと流れていくのでした。
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パリ11区のブロカント

先月はじめ、衝撃的なシャルリー・エブドの銃撃事件があって以来、パリの11区あたり(バスティーク広場周辺)にはあまり近寄らないようにしているという友人の話を聞きました。実際にパリを訪れてみると、街は意外に穏やかで既に人々の日常は平静をとりもどしたかのよう。週末、パリ在住の友人の案内で、定例マルシェとブロカントが開かれるという11区の広場に足を運んだ際にも、買物袋を下げて行き交う人々の顔に非日常的な固い表情は見受けられませんでした。




パリ11区のブロカント_1


パリ市の中ではどちらかといえば生活感の溢れる庶民的なカルティエ、11区。そのブロカントは庶民の台所ともいえる比較的大きな食材の青空市に併設してブロカントがありました。その中でも最も目立ったのが書籍のスタンド。「表現の自由」を守るために、度重なる脅しにも怯む事なく、ペンを走らせ続けた挿絵画家。その生き様を賞讃する声の中にはやや批判的なものもありましたが、彼らの活動がフランスの識字層に強く支持されていることは明らかです。






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いくつかあるスタンドに置かれている本のジャンルは種々雑多でしたが、中には状態も良く、かなり専門的と思われる本も見つけました。美術や歴史、写真集など、これまで知らない内容の本でもぱらぱらとページをめくっていると結構興味を惹かれるものがあります。お値段が見合えば何か家に持ち帰ってもよいかなと思いはじめたそのとき、これはもしや!と胸が高鳴る出逢いが・・・!




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手に取って中を確認しました。間違いありません。「magasin des demoiselles」彩色された美しい版画と説明で構成されている19世紀のファッション・モード誌です。図柄が豊富なので、当時の女性のファッションや流行に興味の有る方なら、フランス語が読めなくてもかなり楽しい図鑑です。これまでもあちこちの骨董市で見かけましたが、状態の良いものは希少本として数百ユーロするものもあります。このスタンドでのお値段は、80ユーロと90ユーロ。状態はまあまあ。交渉をするべきかどうか迷いつつ、次のスタンドへ。




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こちらは主にガラス器のテーブルウェアを扱うスタンド。ちょうどフランス人のご婦人がスタンドの主人とワインカラフの値段交渉をしているところでした。彼女が所望したのはおそらくクリスタルで、スタンドの中のものでは良品なのですが、栓がないらしく、別の壜にささっている栓をさして、「あれは本当はこのカラフの栓なんじゃないのお?」と話しています。結局3つほどお買上になったので、スタンドのオーナーにとっては良い客のはず。最後は交渉に負けて栓をご婦人に渡していました。




パリ11区のブロカント_3


骨董市といえば必ず二つ三つはあるカトラリーのスタンド。ただしこの広場のそれは、銀器というよりはステンレスや真鍮の中古品が大半。誰が買うのかわからないような半端品でも、骨董市の顔は顔。スタンドの主は近くに見当たりません。フォーク数本を持ち去ってもわからないようなこの大雑把な店の出し方も、常連のスタンドと常連の客で成り立っているカルティエならでは。観光客には見えないルールがきっとあるのでしょう。




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まだ底冷えのする1月。一番人を集めていたのは古着のスタンドでした。中でも帽子の売り場にはあれこれ試着する女性が数人群がっていました。その並びにはアフリカのプリミティブアートのスタンドも。祭礼用のお面や槍、腰飾りなど、パリでは珍しくない光景です。フランス人の知識層は結構こうしたプリミティブアートが好きな人が多いようで、6区のアートギャラリーでもよく展示会が開催されています。もっとも左岸のギャラリーに飾られているそれらとは扱われ方が異なり、ソーセージやチーズを並べるのと変わらないプレゼンテーションがかえって新鮮。



外国人が好むようなこ綺麗なお土産品こそありませんでしたが、生活感がぎゅっと濃縮されたような11区のブロカント。これもパリ文化を支える「市」であることは間違いありません。
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Paris...J'adore!

空の月、花の香、色づく実、幾通りもの秋をいとおしむ間に、街はそろそろクリスマスに向けて冬支度をはじめています。ショップにも温かみを添える色が欲しくなりました。クリスマスと言えば、赤、そして赤といえば、パリ! なぜなんでしょう、私にはどうも赤のイメージがパリにはあります。それはムッシュの首元のスカーフだったり、マダムの赤いバッグだったり、傍らを通り過ぎる赤いスクーターだったり・・・。



パリポスター


芦屋のポップアップショップでも人気の高かったカバリーニのラッピングペーパー、パリシリーズの「エッフェル塔」が、エルス中之島店にも再度入荷しています。50X70cmのサイズ一杯にパリのシンボル、エッフェル塔が描かれています。こうして大きな図柄で見ると、その安定感、バランスの妙、エッフェル塔の魅力がひしひしと伝わってきます。セピアの背景に、フランス切手の赤がアクセント。これはもうラッピングペーパーというよりも、大判ポスターとして楽しみたいですね。



パリポストカード


それをそのままポストカードとして復刻したのがこちら。再入荷したこのヴィンテージグリッターポストカードは、キラキラとした銀粉がまるで夜空に輝く本当のイルミネーションのようです。ティンケースの縁取りが赤になって、さらにフェスティブな雰囲気が出ています。こんな葉書で年末のご挨拶はいかがですか?図柄は全部で12種類。エッフェル塔だけでなく、セーヌ川やチュイルリー宮殿、ノートルダム寺院、たくさんの観光名所が詰まっています。





そして、パリをデザインしたこんなマスキングテープもあります。ノートやカードにちょっと使うだけで、レトロなパリデザインが気軽に楽しめます。ギフトを入れるバッグのお化粧に使えば、ギフトの楽しみが倍増します。5種類あるテープで気分や雰囲気に合わせて演出してみてください。



パリサシェ


おっと、パリイメージカラーは赤だけではありませんでした。黒とベージュも、お洒落なパリのマダムの定番カラーです。ベージュの生地に黒いシルエットをプリントしたサシェ、エッフェル塔をオーナメントに持つこの「パリ旅行」は、シックな黒とベージュの二色使い、サテンのリボンなど、ちょっと気取ったパリジャンのエスプリが満載!親しいお友達やお世話になった方への贈り物にいかがでしょうか。サシェの中身はしっとりとした花の香りのビーズです。



パリボックスセット


色というよりは、レトロなデザインが最もパリらしいギフトボックスがこちら。パリのモニュメントを描いた大・中・小の円柱型の箱は見ているだけで旅愁を誘います。大切なものをしまう宝箱として、旅の写真やカードなどを整理する思い出の整理箱として、使い道は人それぞれですが、「また行きたいなあ、パリ・・・。」と、誰かれと次の旅へと誘う趣があります。J'adore paris.(パリが大好き!)と目をキラキラ輝かせるお客様を、私もこれまで店でたくさんお逢いしました。パリグッズコレクション、これからもまだまだ続きます。
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夏の終わりに。

終わりが見えない暑い暑い夏が続きました。7月にパリに飛び、ユーロスターでロンドン、パリに戻って今度はタリスでベルギーへ。北のヨーロッパに行っても容赦ない太陽の攻勢が続きます。今年から始めたリネンアイテムはこの夏どこに行っても強い味方。汗ばむ肌にさらりと乗って風を心地よく通し、すぐに洗えるので汚れも気にならず、理想的な夏の旅の友となりました。



linen bag


上の写真のショルダーバッグも愛用したアイテムの一つ。肩からたすきにかけられれるので両手がフリーになります。財布やパスポート、電車のチケット、ハンカチに化粧ポーチ。結構物を入れても麻のかっちりした質感のおかげで、毎日使ってもくたびれたようには見えません。



ruemazarine


パリに到着した頃は、それでもまだ石の建物の中はひんやりとして夜は過ごしやすいと喜んでいたのですが、どんどん気温は上がり、普段は都会を気取っているパリも「南仏」化。太陽に照りつけられたアスファルトからは熱気が上がって歩いていても足の裏が粘り着くようです。車も走るよりは休んでいる方がいいような顔つき。いつも歩く通りがそのまま南の国にスリップしたかのよう。



stgerman_2


サンジェルマン近くの広場では、背の高い木が、空に向かって切り絵のような明暗を作っています。これも、去年プロヴァンスで見たような光景です。今年はパリにいながらにして、南仏の気分も味わえた、なんて言っていられたのも最初の3日間だけ。その後は、いつまで続くかもしてない熱気にとことん気力を吸い取られてました・・・。



maisondechou


その広場でシュークリーム専門のお菓子の店を発見。半年前にはなかった新しいお店です。もともと生地屋の多い一角ですが、すぐ向かいにはドラクロワ美術館があるので観光客目当てでしょうか。30度を超えるパリらしからぬ暑さの中で、カスタードクリームを操るお兄さん。さて、シュークリームの売れ行きはいかがなものであったでしょう。



shopwindow


お馴染みの散歩コース。同じ広場、少し離れた角のインテリアショップは7月初旬にしてもう閉店。商品は閉められたドアの前に入るなとばかりに積み上げられています。「同じ強い日差しを浴びるなら、都会でよりは海辺や山で。さあ、行かなくちゃ。」・・・同感です。



linenshirt


お気に入りのリネンのノースリーブシャツ。前開きでスリットが入っているのがアクセント。ボトムスを変えることで、シックにもカジュアルにでも着こなせます。たぶんこの夏一番愛用したのがこれ。洗っては干し、干してはアイロンをかけ、何度もこれを来てお日様の下を歩きました。



stgerman_1


抜けるような青空を、切り絵のように陰を作る木の下から仰ぐと、自分がまるで地を這う蟻になったような気になりました。空と大地と、そして我が身を隠してくれる木陰。永遠に続く季節はないけれど、終わりが見えない飴のように伸びた時間。それは現実から遠く離れたところにある孤独との接点。この夏に見たこの空は、こうして私の脳裏の引き出しに収まりました。



suitecase


その空を見た後に、私はベルギーで愛する小さい命が消えるのを見送ることになるのですが、このときはそんな不幸と向き合うことを予想だにしていませんでした。心が空っぽのときも、深い悲しみで満たされたときも、お日様は陰ることなく照り続けたので、リネンのシャツは変わらず毎日私の肌を覆い、バッグは肩にかけられたのでした。まるで郵便配達人のような律儀さで。



単調な繰り返しが心の傷を縫い繕うように、いつもの駅からタリスに乗って、いつもの駅でメトロに乗り換える。ベルギーからパリへの帰路は通いなれた旅の終わりです。来年の夏はどんな夏になるのか、期待でもなく不安でもない単純な疑問符をそのまま衣類と一緒にスーツケースにしまい込み、こうして今年のヨーロッパの夏は終わりました。
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