Pear Tree Inn 

英国紳士は「田園」に住まう。お金持ちであるからこそ、都会を離れ、わざわざ田舎のコテージで暮らすのが英国流の贅沢。美しい丘陵が広がるコッツウォール地方には、そんな上流階級層を狙った趣味の良いレストランが散在しています。「梨の木の宿」という古いファームハウスを改造したこのレストランも、史上最年少でミュシュラン3つ星を獲得した有名シェフがオーナーだとか。



ペアツリーイン1


庭になる果樹がそのままお店のロゴ。苦労せずとも絵になる佇まいは、石壁と壁をを覆う蔦やつる草で構成されています。季節になれば藤の花が一面に咲くそうです。



ペアツリーイン2


頭を低くして潜り抜けるほどの小さな玄関ドアから中に入ると、すぐ暖炉の前に居心地の良いシッティングコーナーが。パブも併設されていますので、ドリンクで歓談するだけでも良し。お食事の前のアペリティフをこちらでいただいて、館内ツアーを楽しんでも良し。



ペアツリーイン3


本日のランチメニュは、前菜に烏賊のリングフライを。細めに切った烏賊に軽めの衣。たっぷりレモンをかけて、タルタルソースでいただきます。



ペアツリーイン4


メインコースは、ハドックの"Fish Cake"。ホウレンソウのソテーの上に乗せられ、カレークリームソースがたっぷりとかかっています。揚げ物にカレー味なんていかにも胃に重たそうですが、中身は白身の魚のほぐし身なので、バランス的にはちょうど良いかも。西洋の魚料理はどこでも塩をふんだんに使いますが、こちらもやはりそうでした。



ペアツリーイン5


食べている間に、お部屋のインテリアをチェック。なんでもない棚も、糊のきいたナプキンやグラス類を並べると、生き生きとして見えるから不思議。使われる出番を待っている道具類は、スタッフと同じぐらい存在感があります。



ペアツリーイン6


近在のリサイクルショップや週末市で調達してきたかのような無骨な無垢のテーブルや、形は同じでも背の揃わない少し歪んだ椅子たち。ファーマーハウスインテリアの大きな魅力はこんな木の温かみからくるのでしょう。


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Castle Drogo_英国最後の城

20世紀初頭建てられた、英国最後の城、カースル・ドゥロゴ。リヴァプールのティーショップに始まり、その後ロンドンでリテールビジネスを大きく拡大、一代で財をなした起業家が、自身と家族が住むために、彼の晩年30年余をかけて建てたというユニークなこの城は、英国南部デヴォン州の広大な私有地にあります。1974年オーナーファミリーからナショナルトラストへと委譲され、現在は一般公開されています。



お城2


花崗岩、または御影石との呼ばれる岩100%でできた城は、外観はとてもシンプルで禁欲的。内装は中世からチューダー王朝のデザインをとりいれたそうです。壁に開けられた銃口用の小さな窓、頭のつきそうな天井の低い通路はすべて古い時代を意識した装飾。メインの大階段の周りに巡らせた使用人用の小階段、自家発電の調整室など、建築家の懲り様が伺えます。



ドゥロゴ1


居間からダイニングにつながるギャラリースペースには、夫人の肖像画。20世紀の作品ですが、肖像画の掛けられた高い天井と出窓との間の窪みが中世のスタイルを彷彿させます。釣りさげられたシャンデリアは現代的なデザイン、コンセプトは中世でもデザインはモダンというところが知性的です。



お城3


バトラーの部屋の連なる渡り廊下に飾られた三輪車。前に木馬が2頭据えられた馬車を模った子供用、馬のサイズが車の座席に比べてとてもミニチュアなのが可愛らしくて目を引きました。この他にもミニチュアの家具で埋められたアンティークのドールハウスなど、大人も楽しめるデコラティブオブジェが上手にディスプレイされています。



ドゥロゴ3


大きな明りとりの窓と天井のクーポルのおかげで明るい台所は、広々としてとても使い勝手がよさそう。サイズの違いこそあれど、コパー色の蛇口や流しは日本の昭和初期の家屋に通じる実用性も感じられます。正面の細い仕切りは洗った食器を立てかけるようになっています。



ドゥルゴ8


娯楽室の中央に置かれた座り心地の良さそうなソファ。壁際にはピアノ、外を見晴らす窓際にはカードテーブルが置かれています。城といえども家族と住むために作られた空間は、豪奢さよりも快適さが求められたようです。



お城1


1910年から1930年といえばデザイン的にはアールデコの時代。中世のお城をイメージしたデザインのディテールは、やはり当時好まれた幾何学的でシャープな直線があちこちに見受けられます。



Castle Drogo

Drewsteignton, near Exeter, Devon EX6 6PB

Telephone: 01647 433306


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気になる木

再び英国です。イギリスの造園が見事なことは有名。見事な幾何学模様やシンメトリーを造るフランス庭園とは異なり、自然の色や形を考慮して慎重に組み合わせ、幾重にも重ねて奥行きを造るイギリスの庭。イギリス庭園を歩いていると、角を曲がるたびに発見があります。



グリーン1



マナーハウスの正面玄関、車寄せの前に堂々とそびえたつ大木。7月の陽光の中、緑の四肢を伸ばして気持ちよさそう。根元にあるベンチに座って、その風にざわめく葉音を聞けば、この館の代々の当主の物語が頭の中をかすめそう。
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EDEN PROJECT

今回のイギリス小旅行では、コーンウォール州にあるエデン・プロジェクトに行ってきました。ミレニアム・プロジェクトとして出発したこの施設は、陶土の採掘場跡にバイオームと呼ばれる自然環境を模したドーム型の植物園を建設したもの。「地球上の環境保全」、「人と植物の共生」をコンセプトに、その研究、実践、教育の場を提供、大きな観光施設として国内外からたくさんの訪問者を集めています。



エデン・プロジェクト1

施設の見所は、バイオームと呼ばれる巨大温室。地中海バイオームと熱帯雨林バイオームの2つに分かれていて、それぞれの気候地帯に生息する植物を集めています。



エデン・プロジェクト2

熱帯雨林バイオームは、ロンドン塔がそのまますっぽり収まる大きさで世界最大、

ギネスにも載っているそう。中に入るとその規模の大きさを体感できます。



エデン・プロジェクト3

6角形・熱可塑性のETFEで作られた外部パネルと、管状の鉄製スペースフレーム

(6角形のものと3角形のもの)を用いて建設されたバイオームの外観。

建設工学的にも様々な分野の専門家が一致協力最新技術の集大成。



エデン・プロジェクト4

エデン・プロジェクトとは何か?一言でいえば、Educational Charity。

職員の他、たくさんのボランティアの方々が働いているそうです。



エデン・プロジェクト5

バイオームで育てられている植物は、最善の環境と手入れのため、素晴らしく健康。

色鮮やかで、見ていてうっとりするほどの器量よしばかり。



エデン・プロジェクト7

人口の熱帯雨林の中、少し不自然に思ったのは虫や動物の姿をまったく見ないこと。

と思った矢先に現れた小鳥。ヒト馴れしているのかうまくカメラに収まってくれました。



エデン・プロジェクト6

例えばこのコーラの実。身近にありながら、加工した後の形状しか知らない私たちのため、

説明書きがさりげなく置かれ、栽培の方法などを知ることができます。




一日の観光としてはちょうどよい規模の施設に、一年かかっても吸収しきれない情報量と、一生かかってもカバーできないほどの課題が一杯。エコロジーに少しでも興味、関心を持つ方にはぜひ訪れて見ていただきたいスポットです。
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英国の田園文化_マナーハウスホテル

今回の英国旅行は南部DEVON地方へ。宿泊は、マナーハウスホテル、広大な自然に取り囲まれた贅沢な立地、草花に覆われた石の館やそのお庭も見事ですが、お庭から望む丘陵地帯が果てしなく続く借景となり、緑の懐に抱かれたような爽快感を楽しみます。



マナーハウス2

7月という季節もあって、植物はどれも生き生きとして鮮やかな色。

中庭の回廊はガーデナー会心の作?自然が作る曲線や緩急のバランスが見事です。



マナーハウス4

草をはむ羊たちも、色々種類があることを今回の旅行で知りました。



マナーハウス7

馴染みのあるダリヤやアザミ、コスモスやバラもどこかつんとすました英国調。

可憐な風情にも気概が見受けられるというか、一言でいえば田園紳士風。



マナーハウス3

庭から一歩踏み出せば、どこもかしこも果てのない丘陵。

雲と空がその上に折り重なって成る風景は、昔読んだ英国の小説やおとぎ話を思い出させます。



マナーハウス8

地元の石を使ったシンプルな建築でも、木や花の衣裳をまとえばこんなに華やか。

蔓科の植物は無口な石の館を代弁するかのように生命力に満ち溢れています。



マナーハウス5

とどのつまり、このマナーハウス最大の娯楽は自然の中の散策を楽しむこと。

散策用に貸し出されるブーツは、男性用、女性用、子供用とサイズが豊富。



マナーハウス1

そのコンセプトを象徴するかのような、靴のオブジェ。

緑を踏みしだくのではなく、緑を守り育むために歩く。



マナーハウス10

散策に疲れて一歩中に入れば、落ち着いた居間が数か所に。

伝統的なウィングチェアのスタイルを踏襲した椅子には華やかなファブリックを使ってこそ粋。



マナーハウス9

館の左翼と右翼をつなぐ渡り廊下はギャラリースペース。

肖像画や古楽器、調度品のコレクションを披露しています。



マナーハウス6

泊まった部屋の浴室はそこだけが一部屋ともいえるほど広々としていました。

窓際に花柄の水差しと洗面具。普段個人的にはあまり好まないインテリアの花柄も

エクステリアのグリーンと合わせれば甘さがほどよく緩和されてシック。

これも新しい発見です。

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イギリスのローマンヴィラ

再びイギリスに来ています。昨年、この地に住む姉の薦めで、National Trustのメンバーになりました。以来、その歴史的、文化的な価値から保護指定を受けるようになった貴族のお屋敷、庭園、遺跡などを見学して廻ることがイギリス旅行の大きな楽しみとなりました。今回の訪問先の一つ、Chedworth, Roman Villa。姉の住むコッツウォール地方から車で約1時間。羊や牛が草をはむイギリス独特の丘陵地帯の風景を存分に楽しんだ後、グロースター州のチェッドワース、ローマンヴィラに到着。浴場跡に残されたモザイク画が必見だそうです。



ローマンバス3
肌に痛いほどの7月の陽光の中、石に囲まれた屋内に入るとひんやりと心地よい空間がありました。古代ローマ人の浴場跡です。当時のきらびやかな室内装飾は残るすべもありませんが、その全容は床に残されたモザイク画によって偲ぶことができます。



ローマンバス2
モザイクといえば、ローマ遺跡の本家本元のポンペイ遺跡のものが有名ですが、人が集い、憩う社交場としての浴場を装飾した重要なアート。こちらのモザイクも、鳥あり、ハートあり、恋人同士が語らう図案ありでメルヘンチック、規模は小さいながらもとても可愛い印象を受けました。



ローマンバス1
各地のローマ遺跡を見るたび思うのは、石によって築かれた都市の生命力。公衆浴場、トイレ、食堂や居間の下に施されたオンドルの礎石など、積み上げられた石の数とその位置により、当時の人の暮らしぶりが見事に再現されています。



ローマンバス4
こちらは、天然の泉から水をひいた神殿跡。澄んだ水面に映る光や影を通じて、当時の人はどんな神の姿を見、どんな神の声を聞いたのでしょうか。池を覗くと、底には最近投げ込まれたらしいコインが幾つも眠っていました。泉に願いをかける気持ちは古代の人も今の人も変わりません。



ローマンバス5
ヴィクトリア時代に発見されたというこのローマ遺跡。当時の狩猟小屋が発掘物の展示室となっていたり、ガーデニング好きな国民性を物語る草花がそこかしこに植えられて、植物公園としての楽しみかたもあるのがイギリス風。ハーブや花が鉢植えになっているのでお土産として買って帰ることもできるそうです。



工業化や近代化の激しい時代、自然や歴史的な建造物が損なわれることを恐れた3人の哲学者(その内一人は女性)によって創設されたNATIONAL TRUSTの歴史は既に100年以上に遡ります。現在メンバーは360万人を超え、55000人以上のボランティアの活動によって支えられているのとか。年間48.50£の会費を払えば同組織管理下にあるイギリス全土350箇所の貴族の城館、広大な自然公園や遺跡などの歴史的建造物への入場料が無料になるので、興味のある方はぜひ、ナショナルトラストのHPでチェックしてみてください。
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動物パラダイス、ハロッズ、Harrods

今回のイギリス探訪のフィナーレは、ハロッズでのお買い物。来週から日本に帰国して、前半は茅ヶ崎、後半は東京世田谷のザ・ショップハウスでクリスマスフェアを企画運営する予定です。そのため、ヨーロッパのクリスマスにちなんだグッズをイギリスから持ち帰ることも、今回の滞在の目的でした。

Harrods ハロッズ、動物パラダイス

これは、イベントの1つ、「ヨーロピアンなクリスマスの過ごし方」というテーマのセミナーの宣伝画像。実際には、「ヨーロッパでのクリスマスの楽しみ方」という意味になっていますが、その答えは、「まずはロンドンハロッズに行ってみよう!」…なんて、あまりにも安直ですか…?

ハロッズ、ペット売り場

でも、そうも言いたくなるほど、この百貨店、店内クリスマスの雰囲気むんむんで、山と詰まれた商品は、赤、緑、金、銀、ラメありと、目に痛いほどの極彩色で、これでもかこれでもかとお祭りムードを盛り上げてくれます。普段率先しては絶対にデパートに足を向けない私でさえ、たそがれ時に浮かぶショーウインドウのクリスマスディスプレイを観たとたん、軽い高揚感で、一気にハイな幸せ気分に。そこで、ゆずの首輪を買うために上階のペットコーナーへ。するとそこでもペットのためのクリスマスグッズが山のよう。飼い主が、ペットの犬や猫のためのプレゼントをきれいにラッピング、ツリーの下に飾る姿を想像すると「博愛」の二文字が頭に浮かびます。同じアホなら踊らにゃ損。こうなったら浸りきってみせましょう!

ハロッズ、テディベアコーナー

最も人通りの多い地上階。ハロッズのマスコットともなっているテディベアが、立派な一角を占めて「お持ち帰り」を今か今かと待っている様子です。昔はまったく関心のなかった熊のぬいぐるみも、こうしてみると、この心躍るホリデーシーズンを祝うシンボル、両手で抱えてベルギーに持ち帰り、甥や姪だけでなく、近所の子供に分けてあげたいとさえ思うほど。

オリジナル

…という訳で、しっかりとヨーロピアンなクリスマスに感化された私は、今こうして、「熊作ろう会」の幹事となって、11月20日金曜日の開会への準備に余念がありません。画像は、昔はルーヴァンのれっきとした市民(?)であったTOMOさん作のピンクベア。身長20センチ(座ると15cm)で、手足が自由に動きます。色や首に巻くアクセサリーはお好みで。ボタンの目の位置、刺繍での口のとり方など、ちょっとしたバランスで、お顔の表情も全体の雰囲気も変わってきそうですね。ペットが飼い主に似てくるように、手作りの熊にも、作り手の性格が現れるのでしょうか。(そう考えてみると、このPINKちゃん、作者のTOMOさんと同様、可憐な乙女風です。)なんだかわくわくするような、どきどきするような…!? さて、オリジナルの熊を作ってみよう、というこの会に、貴方も是非参加してみませんか?お問い合わせはメールでどうぞ。
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ロンドン、鳥かごレストラン

最終のユーロスターでロンドンから戻りました!今回はネット環境が悪く、滞在中はブログを更新することができなかったので、これから日を遡ってご報告します。まずは、本日お昼に行ったレストラン。

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鳥かごを模した巨大なモニュメントは、元花市場であったというアーケードマーケットの中にありました。外側はテイクアウェイのスタンドと、花屋さん。中に入ると1階は夜になるとお酒も楽しめる広々としたカフェ&バー。2階がきちんと食事を楽しむオープンキッチンのあるレストラン、3階はプライベートなパーティが楽しめる個室になっています。

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建物が鳥かごなだけに、中は鳥モチーフのデザインがあちこちに。ウォーターボトルもこの店のオリジナル。

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ビジネス街、コマーシャルストリートに新装オープンをしたこのトレンディレストランは、金曜日のランチも、ビジネスや観光客で超満員。今日のランチメニュのお勧めは、アーティチョークのスープ。ジロールと呼ばれる小さなラッパのようなきのこがトップに添えられたポタージュ。これが本当に舌が鼓を打つほどの”美味”。

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お勧めの一品、ホタテのグリル、レンズ豆添え。大ぶりのホタテがほどよくこんがり焼けて、サワークリーム、キャビアのトッピングで威風堂々と出てきました。ハーブを駆使した微妙な味付けがシェフの腕の見せ所なのでしょう。日本人にはお馴染みのホタテもちょっとヨーロピアンにアレンジされています。

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NYのソーホーを彷彿させる天井の高いロフトカフェ。このレストランができて、マーケットも一段と活気を増したというのもうなづけます。ロンドンの大学院で現在アートを学ぶ姪っ子(若干22歳)に言わせると、かの有名なコベントガーデンのマーケットよりも、今はこちらがトレンディー。ロンドンのホットスポットであることは間違いないそうです。

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それにしても、「木を見て森を見ず」のことわざの通り、姪っ子と1時の約束で、早めにマーケットに到着していたのにも関わらず、どまん前にあるこのカバードマーケット内にある鳥かごレストランを見つけるのに15分ほどかかりました(!)想像力のない大人ってすぐ道に迷います。ヘンゼルとグレーテルの気持ちになって探せばきっともっと早く見つかっていたはず…ですよね。

レストラン情報:The Luxe, 109 Commercial Street, London E1
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Blenheim Palace_イギリス貴族の歴史

英国代61代首相ウィンストン・チャーチルがこの地で生を受けたことでさらにその名が後世に知れ渡ったブレナム・パレス。オックスフォード市から車で約30分、広大な領地の中に、パレス(宮殿)と呼ぶにふさわしい「威風堂々」としたお城がありました。世界遺産に指定されるほどの規模と歴史を誇る建築物ではありますが、今日に至っても、11代目マールバラ公爵とその家族が住まう、れっきとした私邸です。邸内の管理は、プライベートカンパニーとして管理されています。

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平日の午前中、まだ人がまばらな時間、邸内では、クリスマスの飾りつけが始まっていました。ちょうどこの週末14日から始まるクリスマスノスタルジアと呼ばれる展示のため、あちこちにクリスマスにちなんだ飾りつけが施されていて、家族が聖なる日を祝うお部屋では、ディナーテーブルのセッティングも一般に公開されています。(邸内での写真撮影は禁止されているので、画像はリンクページをご覧くださいね。)

ブレナムパレス

見学は邸内だけでなく、その広大な庭園も見ごたえ十分です。1日の入場券が17,50£というのは少々高い気もしないではないですが、1度このチケットを購入すると1年間何回でも入場することができるアニュアルメンバーカードとなっています。

ブレナムパレス

邸内には、各部屋にガイドが配置されていて、公爵家の歴史や宮殿にちなんだ興味深いエピソードを次々と披露してくれます。室内の装飾を見ると、豪奢なバロック様式で、サロンのしつらいは、18世紀フランスの影響が色濃いことが分かります。ルイ14世の命を受けてヴェルサイユ宮殿を贅沢な家具で飾った宮廷家具師アンドレ・シャルル・ブールの手による作品もありました。時代に名を残すフランス家具の逸品、その現物を見ることができるのは、このようにフランスだけではありません。(残念ながらアンドレ・シャルル・ブールの家具は撮影できなかったので、代わりに、秘密の花園の中にあった、美しい紅葉をお楽しみください。)

ブレナムパレス5

幸い、庭をそぞろ歩くときには、小雨もしばし上がり、地面には鮮やかな落葉のじゅうたんが。今年の秋は、あちこちで紅葉を楽しみましたが、規模からすると、このブレナム宮殿の広葉樹は圧巻でした。

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約半日をかけての見学は十分に楽しめましたが、確かに、季節を変えてまた訪れたいと思うほどに、美しい自然です。ウッドストックの村に出る順路では、池や浮島を中において、宮殿の全景が、夢のように浮かび上がります。足元の芝地には、また夥しい数の水鳥や鴨が群れをなして行軍しているところに出遭いました。これだけの領地を、国の補助を受けずして、一ファミリーが運営管理しているとは…。邸内の一角には、蝋人形や最新のテクノロジーを使ったヴァーチャルツアーが設けられ、初代公爵夫人とそのメイドの昔語りという設定で、300年にわたるマールバラ公爵家の歴史を学ぶことができます。イギリス貴族の肩にかかった領地管理という重責、平民には計り知れない大きな使命、課題の連続であることは間違いないようです。
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ミュージアムカフェの椅子たち

オックスフォードの街に、この11月7日にリニューアルオープンしたASHMOLEAN美術館に行ってきました。改装工事のため長らく閉鎖されていたというだけあって、オープン直後の今月は平日でもかなりの見学者の数。世界の主要な時代を網羅する豊富な美術品だけでなく、新しい展示室の工夫や館内デザインの細部まで熱心な目で追う人々の合間を縫って、急ぎ足の見学です。

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エジプトのミイラに始まって、アジアの陶磁器や浮世絵まで来ると脚も痛く、のども渇きます。お楽しみは屋上カフェ。エレベーターで上がると、見晴らしのよい大きなテラスがありました。

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一見普通そうに見えるシンプルなテラスファニチャーの材質はメタル、実は茶色と濃淡の異なるグリーン2色とのアースカラーで構成されていました。そうして眺めてみると、ダイニングエリアのテーブルも、材質は異なるものの、茶色とグリーンで統一しているのが分かります。

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待合エリアのスツールは、「切り株」のようなイメージで。こちらはファブリックで座り心地が良さそう。

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お茶をいただくテーブルのチェアは、ウッディな柄と美術館らしいデザインの、背もたれと座面が1つにつながったチェア。きのことも昆虫ともみえる曲線のきれいな脚に特徴があります。

※オーダーした飲み物は、カフェもお水もジュースも、街中のトレンディカフェでいただくようにきちんと用意されて出てきました。実はこのカフェ、美術館としては珍しく飲食のプロが運営しているというだけあって、ナチュラルな素材を使った料理も提供できるクウォリティー高いダイニングルームでもあるのです。この日の給仕は全員若い男性でお揃いのユニフォームを着用。英国アクセントではきはきした応対で会計の仕方にそつがありません。うーん、この魅力もあなどれない!

※この日11月11日は、第一次世界大戦の終戦記念日。ベルギーはバンクホリデー(祝日)でした。イギリスはお休みにはなりませんでしたが、11時になると、美術館の中でも見学者全員で1分間の黙祷がありました。
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