中之島デビューから3年。今さらですが、エルスとは・・・

  私が長く暮らしたベルギーでは、女性の名前の一つです。旅を愛し、仕事を愛し、アートを愛し、ちょっとしたこだわりと愛情を持って日々の暮らしを豊かにする。そんな大人の女性をイメージしてショップのコンセプトを作りました。そうしたら、まさにそのイメージを体現しているかのようなお客様に次々と出逢うこととなりました・・・。

 

 

  この3月から、エルスのウェブショップに掲載するお洋服のモデルをお願いしている奈良在住のアートアドバイザー、奥村くみさん。インスタグラムでご自身のファッション、ライフスタイルを紹介されていますが、スタイル抜群で着こなしがとてもお上手です。実際に、エルスの商品撮影(といってもiphoneを使って自宅マンションでパシャパシャ撮るだけですが)に来ていただくと、試着から撮影までの動きの素早いこと!すっとそこに立つだけで既にシャッターのタイミングを待っているかのようなポージング、さすがです!

 

 

 

 

  奥村さんにお会いしたのは、大阪中之島のショップを2014年7月にオープンして一年になるかならないかぐらいでしたでしょうか。インテリアコーディネーターのお友達と中之島ランチ帰りに、うちの店を全く偶然に(!)見つけてくださいました。店に飾ってあったイタリアから来たメタル製のコンテナーと、LED ライト、フィル・ドゥ・ルミエールに目を留めてくださったのもちょっと感激でした。その頃はまだお洋服の数も少なくて、インテリアショップなのか、ファッション小物のお店なのか、前を通り過ぎる方も不思議そうに中を覗かれる方が多く、置いてある商品に対しても「これ、何に使うの?」というご質問を受けることがしばしば。その中で奥村さんは先のLEDライトのセットを即決。その後、ストールやオーガニックコットンのシャツなどファッションアイテムもお買い上げ頂き、その都度インスタで素敵な着こなしを披露してくださっています。

 

 


  9坪あまりの小さな店にも関わらず、インテリア商品だけでなく、ファッションやバッグ、アクセサリーなど、ライフスタイル全般に関わるアイテムに広げたのにはちょっとした思い入れがありました。それは、衣食住に対する美意識、そのどれが欠けても素敵ではない、ということ。どんなに美しく着飾っていてもお部屋の中が雑然としていたり、美しい美術品や骨董の目利きであってもご自分の個性を活かす色や素材をご存知なかったり、豪華なタワーマンションに住んでいてもジャンクフードしか口にしなかったり。衣食住のバランスが悪いと、なんだか無理して頑張っているだけで、実は日々の生活を心から楽しんでいないのでは?と、ご自身で気づくこと、ありませんか?

 

 

 

 

  奥村さんのインスタグラムを拝見すると、それこそ昨晩のおかずから、最近行かれた美術展の話、定番のコーディネートや新しい色のネイルまで、かっこいいけれど肩の力が抜けた素敵なお写真が日々更新されています。今月号の『エクラ』に、現在のお仕事であるアートアドバイス、「絵を上手に飾るための基本ポイント5」という記事を寄稿されていますので、ご関心のある方は是非手にとってご覧になってください。アートとの付き合い方や楽しみ方、プライベートな空間への取り込み方、などなど、とっても参考になりますよ。ちなみに、この号の表紙には、「50歳のための新しいファッション。来てます!!」の文字が、上の通り、躍ってました。そうそう、確かに自信が持てる着こなしは大事ですよね。でもそれと同様、衣食住全体への関心、バランスはもっと大事。大人なら一部が「尖っている人」よりも「バランスのいい人」の方が絶対に輝きます。何より周りの人を楽しませるオーラが違う。奥村さんて、ほんとそんな素敵な方なんです。

 

 

 

 

 

  その奥村さんのお口添えで、エルス待望の大阪でのセミナーイベントが、この6月実現いたします。このセミナーイベントでは、奥村さんご自身も講師として、「アートと暮らすインテリア」というテーマでお話しなさいます。私は、まだ大阪では知られていないインテリアサービスをご紹介するとともに、「パリ5つ星ホテルのインテリアとファブリック」というテーマで、パリのホテル最新情報も交えての内容にしました。ですので、インテリアと言ってもちっとも堅苦しくなく、ちょっとした観光情報として、気軽に聞いていただけるのではないかと思います。

 

  開催は6月3日(土曜日)、場所はマナトレーディング株式会社大阪ショールーム2Fセミナールーム。まだ少し先ですが、定員20名の小規模でのスタートですので、ご関心のある方は、是非お早めにご予約ください。ご予約は、電話(06-6225-7262)、またはメール(event@eurolifestyle.net)まで。

 

◎ エルスはこの7月に3周年を迎えます。3周年を記念して、中之島に店を開業してからお知り合いになれた素敵なお客様を、こうしてご紹介していけたらと考えてます。次回は、とってもオシャレ、すべてにこだわりのあるイケメンヘアスタイリトさん。男性であるに関わらず、エルスのお洋服の常連顧客様でもある中本さんをご紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

 

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『ベルギー物語』@松坂屋名古屋店



『ベルギー物語』@松坂屋名古屋店、いよいよ始まりました。
開催期間は2015年8月19日(水)ー8月24日(月)の6日間。

「あなたにとってのベルギーとは」?がテーマのこのイベント。
美食の国を彷彿させるフードコーナーでは、ベルギー名物のワッフル、チョコレート、ビールのブースが並び、そのもう一方では、ベルギーフランドル地方の伝統工芸、タペストリーやゴブラン織のバッグ、小物、アントワープのダイヤモンド、ダニエル・オストのお花のアレンジメント、ボビンレースの実演コーナーなどがひしめきあい、重厚かつ多彩なカルチャー色満載の空間になっています。
・・・そして、エルスもベルギーつながりでお誘いいただき、大阪から出店しております。
中之島店でのお馴染みのアイテムの加え、その昔アントワープで仕入れた18世紀レジョンス様式のアンティークソファ、ベルギーのセラミックブランド、ロイヤル・ボッホのアールデコのヴァーズ、サボネリーズ・ブリュッセルのオーガニックソープが、イベントメインアイテムとしてブースを固めています。

名古屋近郊の皆様はぜひ足をお運びください。

 
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メトとスターとニューヨーク

2011年の大晦日、NYでオペラを観てきました。この日上演されたのは、「The Enchanted Island」、バロックの巨匠、ヘンデルやヴィヴァルディ、ラモーの有名なアリアを組み合わせ、シェークスピアの戯曲「真夏の夜の夢」などをベースに、新しく作られたというミステリアスな作品。この日がワールドプレミアだったので、これまで誰も観たこともなく、聞いたこともない。ですが今最も活躍するカウンターテナーや若手実力派のソプラノ歌手を一堂に揃えたばかりでなく、あのプラシド・ドミンゴも出演するというのですから、年の暮れを華やかに盛り上げる作品でないはずがありません。



theenchanted island_1


舞台は、日中でもほのぐらい孤島の密林の中のイメージ。時間や航海、呪文や魔術を象徴するオブジェで飾られた古い額縁のような舞台装置の中で、様々なドラマが繰り広げられます。語られるストーリーや心情を、オーケストラだけでなく、照明やCGを駆使して盛り上げる演出は、さすがショービズの街、NY。大胆で凝った舞台装置で知られるメトならでは。バロックの古典がオペラ初心者でも十分楽しめる現代的な一大エンタテーメントに。



ドミンゴ


この年70歳になったドミンゴは、前半の終盤に、海の底を統べる「海神」として登場。海底を表現するブルーのスポットライトの中で、きらきら光る銀髪とやや装飾過多な鎧甲冑がとてもよく似合う白髪美男。少し不安げに聴かせるアリアの出だしも、ストーリーの内容に合わせて徐々にヒートアップ。聞かせどころではたっぷりの声量で威風堂々と歌い上げました。



ドミンゴ30歳


メトの公式ウェブサイトで紹介されている写真の中から30歳のドミンゴ。イタリアの巨匠、ヴェルディの小品「Luisa Miller」に出演。この時の指揮者が2歳年下のレヴァインだったそうです。レヴァインとはこの後もメトで数限りなく共演しており、この二人がメトロポリタンオペラの黄金時代を作った重要な立役者であったことは誰も否定できないでしょう。



ドミンゴ51歳


オッフェンバックの「 Les Contes d’Hoffmann」を演じた51歳。お化粧や派手な舞台衣装をとってもにじみ出るスターオーラ。私がNYで初めて彼の舞台を見たのも、ワーグナー作品でさらに芸域を広げ、世界的な実力派として名声を欲しいままにしていたちょうどこのぐらいの時期からでした。



三大テナーのコンサートがレヴァインの指揮で世界各地で興業され、オペラファンの裾野を広げていったのも、ドミンゴに代表されるようなスター歌手と、NYメトロポリタン劇場のビジネス手腕あってこそ。そのあまりにも商業的なアプローチに眉をひそめる声があっても、オペラのようにお金のかかる舞台芸術はパトロンなしでは成り立たないこともまた事実。ヨーロッパのオペラ劇場がその国の政府予算支援があっても年間の興業数は数えるほどなのに比べ、夏の数か月を除くとほぼ毎日様々な演目が楽しめるのはメトロポリタン劇場ぐらいです。その興業を支える力は、一般の企業や市民が購入するチケットでありContributionであり、CDやグッズの収益であり、それらを管理するメトの経営努力は計り知れません。



メトオペラ劇場2011


12年ぶりのメト歌劇場を遠景から望むと、NYを舞台にした映画「Moonstruck」で、シェールとニコラス・ケイジが初デートで待ち合わせた噴水広場前に、幅広のステップが出来ており、世界の色々な言葉で「こんにちは」の電字幕が流れていました。観光都市として生き抜いて行こうとするNYの商魂(?)がこんなところにも文字通り見え隠れ。この10年ヨーロッパ文化にどっぷり浸っていた私の目にはとても新鮮です。
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Herb and Dorothy

久々に内容のある面白い映画を観ました。You don't have to be a Rockefeller to collect art. NYに住むごく平凡な老夫婦が多くの美術館からそのコレクションの寄贈を望まれるほどの一大収集家としてその名を知られるようになるまでのドキュメンタリー映画です。







映画はいたってシンプル。主人公である二人、ハーブとドロシーへのインタビュー、彼らと同じ世代を生き、彼らにその作品を見出されたアーチストへのインタビューを織り交ぜ、ギャラリーや美術館、アーチストのアトリエで彼らがいかにアートに触れ、アートを楽しみ、アーチストと語らっているかを写実的に淡々と見せています。派手な演出は何もないこの映画、退屈せず一気に観られてしまうのは、この主人公二人の愛すべきキャラクターゆえ? この作品を撮ったのは、NY在住の日本人女性、佐々木芽生さん。映画上演後、資金繰りの苦労話や、作成に至るまでのエピソードなど、監督・プロデューサーをこなしたという彼女の語りも楽しめました。目下作成企画中という続編も待ち遠しいです。
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関西文化の日_お好みの秋色探し

大阪城公園の桜紅葉をお誉めいただいたので、銀杏も。青屋門近くに並木があり、こちらも今見頃です。銀杏並木といえば、関西では心斎橋が有名ですが、そちらはまだ葉に青味が強く見頃には少し早いようでした。



銀杏




さて、本日11月20日は「関西文化の日」、関西の美術館や博物館が入館無料になるとか。この週末はお天気も大層良いようなので、紅葉狩りとうまく組み合わせて、普段は見過ごしがちな美術館へお出かけしてみるのも良いかもしれませんね。



関西文化の日
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パリの展覧会に行こう

9月になると、展覧会があちこちで開催され、街の活気が一気に戻ります。毎年この時期はパリに行くのが楽しみなのも、趣向を凝らしたイベントが色々出てくるため。今年2010年が世界屈指のアンティークフェア、ビエンナーレ・デ・ザンティケールの開催年。パリのランドマーク、グラン・パレで開かれるこの展覧会では、25周年を記念しての特別な行事も幾つかあるそうです。



ビエンナーレ2010

場所:Grand Palais -Paris

期間:15 - 22 september 2010

開館時間:11.00am - 8.00pm



備考:Late-night opening

16 & 21 September until 10.00pm



個人的には、会場の広さを持て余して全体の印象が逆に薄まったかのように思えた2008年。参加するギャラリーやディーラーは老舗ばかりというマンネリズムを払拭するために、今年はバルコニーに新規のスペースを設営、国内外から、若手、無名のディーラーを25人招いて、彼らのアートワーク、コレクションを披露させるとか。題して、« Tremplin pour la Biennale »、ビエンナーレへの飛び板(直訳です。)客寄せには使うけれども、そう簡単には正当な参加者としては認められませんよ、との意?由緒正しき閉鎖されたアンティークフェアの寄合衆たちのお顔がちらり。さて、お堅そうなアンティークの他にも楽しそうな展覧会を2つ、次にご紹介します。



モネ展


こちらは、日本人も大好きな印象派、モネの大回顧展。あまりにも有名な作品でも、時系列に数多くの作品と一緒に観ることができれば、また新しい発見があるかも。かなりの人ごみは覚悟しなくてはならないでしょうけれど。



期間:2010年9月22日(水)〜2011年1月24日(月)

場所:グラン・パレ Grand Palais

アクセス:3, avenue du Général Eisenhower 75008 Paris

Champs-Élysées-Clemenceau 1、13番線

開館時間:10:00〜22:00(火曜:10:00〜14:00、木曜:10:00〜20:00)

ただし12月18日〜1月2日は毎日9:00〜23:00

12月24日、31日は18:00閉館

休館日:12月25日

料金:通常12€、割引8€

詳細:モネ展公式サイト




資生堂展示


こちらは、「Shiseido Urban Art Box 資生堂30周年記念 アーバン アート ボックス」、パリで営業を開始してから30年(!)を祝ってのイベントだそうです。さまざまなウィンドウディスプレイが見られるそう。私も是非これは見て、仕事の参考にしたいと思っています。サンジェルマンという便利な立地、そして入場無料というのが嬉しいです。



期間:2010年9月22日(水)〜2010年10月10日(日)

場所:Hôtel de l'Industrie

4 Place de St Germain des Prés 75006

アクセス:Saint Germain des Prés 4番線

開館時間:10:00〜19:00

休館日:会期中無休

料金:入場無料




※モネ展、資生堂展の情報は、フランス、パリの情報サイト「カイネ・ドゥ・パリ」を参考にさせていただきました。
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パリ、クリニャンクールでジャポニズム

9月に入り、ヨーロッパもまたバカンスから日常へと生活モードが完全に切り替わっています。そんな折、ライターであり、アンティークやアートに関わるテーマを扱ったカルチャーサロンを主宰している石澤季里さんから、この秋パリで開催されるというレクチャーのお知らせが入りました。



石澤季里レクチャー


以下、石澤さんのご案内をそのまま掲載させていただきます。ご関心のある方はぜひ!(要予約)秋のパリが堪能できるこの時期、私も参加する予定です。



石澤季里のアンティ−クレクチャー




長い鎖国を経て、19世紀中旬から再び西洋にもたらされた日本の工芸品。エキゾチズムを愛するフランスの人々は、未知の国、日本のスタイルに熱狂し、それ以後、ジャポニズムの流れを汲んだ思い思いのデザインを生み出しました。

1700ものディーラーが集まり、世界最大級とも言われるクリニャンクールのマーケットのなかでも、そのバラエティーの豊さと品質の高さで「生きた美術館」に例えられるポール・ベール、セルペットのマーケットを巡りながら、18世紀のロココスタイルからジャポニズムまで、生活を彩るのに適した魅力的なアンティークを紹介します。

また、インテリア雑誌「ボン・シック」(主婦の友社)で取材したディーラーに直接インタヴューし、市場で人気のアイテムや真贋の見分け方など、役立つ情報もお伝えします。





参考資料:インテリア雑誌「ボン・シック」(主婦の友社) 2010年9月号



案内役/石澤季里:カルチャー・サロン「プティ・セナクル」代表。1989年に渡仏し、様々な女性誌で特集ページを持つ一方、アンティーク鑑定士養成学校IESAに通い、フレンチ・アンティークについて学ぶ。専門はアンティーク・ジュエリーを中心にするフランスのアンティーク。著書に「フランスの骨董市を行く!」(角川書店)、「パリ 魅惑のアンティーク」(阪急コミュニケーションズ、他。



開催日:



10月2日(土)11:00 / 15:00

10月3日(日)11:00 / 15:00



*各回の所要時間は、1時間〜1時間30分です。



集合場所:マルシェ入り口受付



参加ご希望の方は、お名前・連絡先・ご希望の日時をご記入の上、メールにてご予約下さい。

各レクチャーの定員は10名迄とさせていただきます。

定員に達し次第、受付終了とさせていただきますのでご了承下さい。





お問い合わせ/ご予約は:



クロスアート 一島 陽子 info@crossartparis.com

www.crossart.com



※10月2日から24日までのイベント期間中は、アンティークだけでなく、企画展示や食に関わるイベントも色々あるようです。



プログラム概要:



10月2日(土)

11:00 / 15:00   石澤季里のアンティークレクチャー

14:00 / 16:00   今井陽子の「書」- デモンストレーション



10月3日(日)

11:00 / 15:00   石澤季里のアンティークレクチャー

12:00 - 15:00   田熊一衛によるテリーヌと日本酒の試食会





10月9日(土)

14:00 / 16:00   今村泉の「生け花」- デモンストレーション



10月10日(日)

12:00 - 15:00   ミシェル・アッシュによるテリーヌと日本酒の試食会





10月16日(土)

15:00       茶の湯のイニシエーション



10月17日(日)

12:00 - 15:00   フランソワ・ルノーによるテリーヌと日本酒の試食会 





10月23日(土)

14:00 / 16:00   今井陽子の「書」- デモンストレーション



10月24日(日)

12:00 - 15:00   ドミニク・ブシェによるテリーヌと日本酒の試食会




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細川護煕_武家末裔のダンディズム

今パリで、元首相細川護煕氏の焼き物展(2010年3月9日−5月15日)が開かれています。場所は凱旋門前にある「三越エトワール」です。凱旋門をくるりと囲んだアパルトマン。ナポレオンが自分の軍隊を率いる将校のために建てたというこのお屋敷群の一つにある美術館です。

細川1

建物入ってすぐのコートヤード入り口には今回の展示会のポスターが掲げられています。「AU BORD DU RUISSEAU Ceramique du Samurai-Homme d'Etat」というタイトルは、異色のプロフィールを持つ細川氏ならではでなかなか得がたいもの。就任時の支持率は7割を超え、政界への新風と評された細川氏。首相としては短命でしたが、歴史にその名を残す名将を冠した由緒正しい武家(サムライ)の末裔という出自はパリジャンへのアピール度大ですね。

細川氏

そしてこの写真、モノクロームな背景にすっきりと立つダンディーな姿は、在野にあっての悠々自適ぶりが滲み出ています。背筋がしゃんと伸びて何気に上方を見やる視線も気取りがなくて好感が持てます。「歳を重ねるごとに無駄を削ぎ落とし、本質だけで物事を語る人の姿勢を写す」、それが写真家の意図だとしたら、この写真では見事に成功していると思います。

破れ壺

その写真への思い入れがあるためでしょうか。パリ展示会ポスターにもなり、この展示会の華ともいうべき作品「破れ壺」は、その派手さがかえって「ラシクない」印象を受けました。

細川3

それよりも、そのまま刺身や四季の食材をそのまま載せて食卓に出すにふさわしいこのお皿はどうでしょう。ホルストの「惑星」を思わせるような柄も自然でわざとらしくないのが素敵です。

細川4

そして志野の香合、手のひらサイズの小ささなのに、柄はダイナミック。長次郎を意識して、持てる技を尽くした「赤茶碗」、「黒茶碗」を筆頭に、シンプルで渋く落ち着きのある作品群の中で、個性という意味では勝っているように思えました。

狛犬

また案内絵葉書に選ばれた「唐獅子」よりも、こちらの信楽狛犬のひょうきんさに面白味を感じるのは私だけでしょうか?見た目の格好良さとは別に、子供の持つ素直さや可愛らしさが伺える作品です。

細川2

政治家を辞めた現在の細川氏の肩書は「陶芸家」。展示作品には、書の屏風や掛け軸も数多くありました。どれも素直で伸びやかな書体です。こちらは「明日は御座無く候」の一文。この方が何を成し遂げたかというよりも、この方の出た家系、背負っている歴史、それ自体がドラマ。古くは清和天皇にまで遡り、激動の平安・鎌倉・室町時代を潜り抜け現代にまで繋がる武家の名門。足利尊氏や細川ガラシャがこうつぶやいているところを想像してみてると、感無量です。
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ちょっと新しい?TEFAF 2010

毎年チューリップの花咲く3月、ベルギー、オランダの国境、マーストリストで行われる世界的なアート&アンティークフェア、TEFAFに行ってきました。

TEFAF2TEFAF

今年のTEFAFは少しイメージ一新、従来の重厚な雰囲気から、「私たちだって時代の波をかぶってちゃんと学習しているわよ!」と言わんばかりの軽さと華やかさを感じました。館内のレイアウトもところどころ新しくなっており、デリカテッセンやドリンクカウンターの数が増え、内容が充実。雑誌やデザインの展示ブースも間口を広く取り親しみやすいセッティング。日曜日だったので子供を連れた家族の姿もちらほら見かけるほど。もっと気軽にアートを見に来て、買いに来て、という気持ちがひしひしと伝わってくるわかりやすいホスピタリティ。伝統的、保守的な展示会が膝を折っている姿が想像できて、一般客の最たる例である私にとってもなんだか居心地がよくなったような…。

浮世絵1浮世絵2

版画、プリントなどを集めた、「TEFAF ON PAPIER」なる階が新設されたこともその一つ。パリ、サンシュルピス教会の脇で骨董店を営む「TANAKAYA」さんも、日本の浮世絵を持って初参加だそうです。TANAKAYAの店主によると、国籍では時代を反映して中国のものに人気が出ているとか。同じくアジアで浮世絵版画の人気も根強いそうです。滅多に新参者を寄せ付けないお高いTEFAFの実行委員会(?)から、版画の展示を条件にぜひにと勧誘があったそう。

TEFAF3TEFAF4

そう、ちょっと前まではこんな感じ。(画像左)いかにもアンティークと思わせるシルバーやタペストリーの前で、品のよい老夫婦が熱心に鑑賞している姿が定番でしたが、今はこんな感じ。(画像右)20世紀のデザイン家具や、ロフトアパートや、お医者さんや弁護士さんのオフィスに置いても違和感のない、シンプルで現代のインテリアに馴染むオブジェにもスポットがあてられるようになりました。友人が勤めているので必ず訪れるAxel Vervoordtのブースでは、今年白木で造った韓国の図書室を模したインテリアの中に、フォンタナや白髪などゼロ・アーチストと呼ばれる究極のシンプリシティをテーマにした絵画やオブジェを展示。パリのアパルトマンと同じ通りにあるギャラリーL'Arc en Seineは常連ですが、定番人気のアールデコに加えて、今年はもっと自由な20世紀のデザイン家具やオブジェを披露。個人的には、お皿を抱えた猫のブロンズ像に強く心惹かれました。

絵画の方でも、イタリアヴェネチアンの、楽しい構図、明るい配色、生き生きとした人物画が多い印象を受けました。確かに、こうした数々の変化で、より広い世代や客層にも十分アピールしているような。ただ、個人的には3年前に購入した、Cobraアーチストの一人、Corneilleの版画が3割安になっていたのはショックでした…。これも時代の波でしょうか。
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"PARIS DES CHEFS_food &design" 2010、パリ

1月、ヨーロッパでは色々な展示会が結構開催されます。お馴染みの「Maison & Objets」も毎年ありますし、今年は、そこから発展、独立した「食べ物とデザイン」展も!

パリ、フード&デザイン

一体何なの、これ?と私も興味引かれ、ウェブで内容チェック。なんだかよく分からないけど、フランスを代表するシェフが、デザイナーや建築家、写真家といったデザインの最先端を走るクリエイターとともに、お料理のプレゼンテーションを競うらしい? そういわれれば、今有名レストランのプレートは、ただ美味しいというだけでなく、見た目も独創的で洗練されたものが目立ちます。そこには、食器だけでなく、盛り付けの技術にも確かにデザインのトレンドが見え隠れ。

ウェブの紹介文です。
「Cuisine et design partagent les mêmes valeurs
Confrontations, débats, démonstrations...
Une expérience exceptionnelle afin de mieux comprendre pourquoi la cuisine contemporaine prend une telle place dans notre culture et notre quotidien.」…料理とデザインは同じ価値観、対立、葛藤、主張(などなど)を共有。現代の料理が、我々の文化や生活でなにゆえかくも重要な位置を占めるようになったのか理解するための、きわめて稀な実験的な試み?? サイトのビデオを見ると、シェフとクリエイターがそれぞれペアになってパフォーマンスをしている様子も垣間見ることもできます。そのシーンの1つ、公園の樹木から建物が頭を出している様子を、食材で表現。グリーンの野菜か海草のエキスを泡立てたを台に、まぐろのお刺身(?)がにょきにょき飛び出したようなデザイン。わーなんだかとっても面白そう!行ってみようかな、この展示会。
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