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夏の終わりに。

終わりが見えない暑い暑い夏が続きました。7月にパリに飛び、ユーロスターでロンドン、パリに戻って今度はタリスでベルギーへ。北のヨーロッパに行っても容赦ない太陽の攻勢が続きます。今年から始めたリネンアイテムはこの夏どこに行っても強い味方。汗ばむ肌にさらりと乗って風を心地よく通し、すぐに洗えるので汚れも気にならず、理想的な夏の旅の友となりました。



linen bag


上の写真のショルダーバッグも愛用したアイテムの一つ。肩からたすきにかけられれるので両手がフリーになります。財布やパスポート、電車のチケット、ハンカチに化粧ポーチ。結構物を入れても麻のかっちりした質感のおかげで、毎日使ってもくたびれたようには見えません。



ruemazarine


パリに到着した頃は、それでもまだ石の建物の中はひんやりとして夜は過ごしやすいと喜んでいたのですが、どんどん気温は上がり、普段は都会を気取っているパリも「南仏」化。太陽に照りつけられたアスファルトからは熱気が上がって歩いていても足の裏が粘り着くようです。車も走るよりは休んでいる方がいいような顔つき。いつも歩く通りがそのまま南の国にスリップしたかのよう。



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サンジェルマン近くの広場では、背の高い木が、空に向かって切り絵のような明暗を作っています。これも、去年プロヴァンスで見たような光景です。今年はパリにいながらにして、南仏の気分も味わえた、なんて言っていられたのも最初の3日間だけ。その後は、いつまで続くかもしてない熱気にとことん気力を吸い取られてました・・・。



maisondechou


その広場でシュークリーム専門のお菓子の店を発見。半年前にはなかった新しいお店です。もともと生地屋の多い一角ですが、すぐ向かいにはドラクロワ美術館があるので観光客目当てでしょうか。30度を超えるパリらしからぬ暑さの中で、カスタードクリームを操るお兄さん。さて、シュークリームの売れ行きはいかがなものであったでしょう。



shopwindow


お馴染みの散歩コース。同じ広場、少し離れた角のインテリアショップは7月初旬にしてもう閉店。商品は閉められたドアの前に入るなとばかりに積み上げられています。「同じ強い日差しを浴びるなら、都会でよりは海辺や山で。さあ、行かなくちゃ。」・・・同感です。



linenshirt


お気に入りのリネンのノースリーブシャツ。前開きでスリットが入っているのがアクセント。ボトムスを変えることで、シックにもカジュアルにでも着こなせます。たぶんこの夏一番愛用したのがこれ。洗っては干し、干してはアイロンをかけ、何度もこれを来てお日様の下を歩きました。



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抜けるような青空を、切り絵のように陰を作る木の下から仰ぐと、自分がまるで地を這う蟻になったような気になりました。空と大地と、そして我が身を隠してくれる木陰。永遠に続く季節はないけれど、終わりが見えない飴のように伸びた時間。それは現実から遠く離れたところにある孤独との接点。この夏に見たこの空は、こうして私の脳裏の引き出しに収まりました。



suitecase


その空を見た後に、私はベルギーで愛する小さい命が消えるのを見送ることになるのですが、このときはそんな不幸と向き合うことを予想だにしていませんでした。心が空っぽのときも、深い悲しみで満たされたときも、お日様は陰ることなく照り続けたので、リネンのシャツは変わらず毎日私の肌を覆い、バッグは肩にかけられたのでした。まるで郵便配達人のような律儀さで。



単調な繰り返しが心の傷を縫い繕うように、いつもの駅からタリスに乗って、いつもの駅でメトロに乗り換える。ベルギーからパリへの帰路は通いなれた旅の終わりです。来年の夏はどんな夏になるのか、期待でもなく不安でもない単純な疑問符をそのまま衣類と一緒にスーツケースにしまい込み、こうして今年のヨーロッパの夏は終わりました。
パリの街角から | comments(5) | -

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ラピス君ですか。。。
一番古株のおとなしい子でしたよね。
ご冥福をお祈りします。
momonekoさん、お寂しいでしょうね。
お気持ち察します。
keiko | 2013/09/27 12:16
keikoさん、白い身体にスポットのあるラピス君がこの夏命を落とし、灰になりました。
momoneko | 2013/09/26 06:58
momonekoさん
小さな命が消えたというくだりが気になっています。おうちの猫ちゃんのうちの一匹が亡くなられたのですか?以前写真で拝見したことがあるので、どの子なんだろう?とても心配になっております。
keiko | 2013/09/25 20:31
土井さま  この場所はパリの住まいの近所で、記事にも書いたように私の散歩コースです。ファブリックやインテリアショップが密集しているのでよく参ります。もっと以前、パリが暗くて寒かった頃からこの辺りの景色はあまり変わってはいないのではないでしょうか。それを眺める心の景色は確実に変わっていますけれど。
momoneko | 2013/09/14 13:52
福西さん
ドラクロワ美術館前の小さな広場は
僕の大好きな場所です。木と空の写真ですぐにあの場所だとわかりました。
サンジェルマン・デ・プレ教会の
向かい側のシゾー通りに住んでいましたから。エレベーターの無い6階の
屋根裏部屋。画像から教会の鐘の
音が聞こえてくるようです。
孤独と不安で胸が押し潰れそうな青春時代でしたが、今となっては良い思い出です。
土井 | 2013/09/14 12:59
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